新市場開拓支援事業費補助金 (フロンティア補助金)は、酒類業者が直面する国内需要の減少への対応や、日本産酒類の輸出促進を目的として、国税庁において実施する珍しい補助金です。
内容的には、ものづくり補助金・持続化補助金・事業性構築補助金の要素が盛り込まれたもので、補助金の立て付け自体もそれぞれの補助金に類似しています。酒類事業者に限定されており、令和5年度予算は6億円。同事業者の皆様にとっては狙い目の補助金です。

概要

酒類事業者が直面する国内需要の減少、酒類事業従事者の高齢化といった構造的課題や、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顕在化した課題への解決に向けて、国内外の新市場を開拓するなどの意欲的な取組を支援することにより、酒類業のポストコロナに向けた経営改革・構造転換を促すことを目的としています。 

施策概要

新市場(フロンティア)を開拓するなどの次の(1)~(4)の取組に対し補助を行うものです。
(1) 商品の差別化による新たなニーズの獲得
(2) 販売手法の多様化による新たなニーズの獲得
(3) ICT技術を活用した、製造・流通の高度化・効率化
(4) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顕在化した課題への対応

補助内容

補助対象者
​酒類事業者(酒類の製造免許若しくは酒類の販売業免許を受けている者)、又は酒類事業者を1者以上含むグループのうち、 (1)2019年比で売上が減少等している者、若しくは(2)その他の者(※)
※詳しくは公募要領を参照

 補助対象経費
(例)機械装置・システム構築費、施設整備費、設計・デザイン料等
(注)通常業務に要する費用は補助対象外

 ​補助率
​補助対象経費の1/2、又は2/3(従業員数が20人以下(卸・小売業は5人以下)の小規模酒類事業者)

 補助金額
(1)1件当たり400万円上限、50万円下限
(2)1件当たり500万円上限、50万円下限(※)
※給与支給の増加計画を達成できない等の場合において、補助金額の一部を返還 する義務が生じます

補助対象事業

以下の(1)から(4)の事業を支援します。

(1)商品の差別化による新たなニーズ獲得事業
マーケットインの考えを踏まえ、消費者のニーズを掘り起こすとともに、既存商品と差別化された酒類を開発することを目的とした事業。
【対象となる取組例】
・ 食品等とのペアリングに特化した商品の開発や、地方自治体等との連携による地方産品の特性を生かした商品の開発
・ 個人等に対するオーダーメイド商品の開発体制の構築
・ 新たな原材料等を使用することにより、これまでにない特性を持たせた高付加価値商品の開発
・ 「伝統的酒造り」を差別化のポイントとした高付加価値商品の開発

(2)販売手法の多様化による新たなニーズ獲得事業
販売の場面における新たな訴求力の創出を通じ、消費者の多様なニーズに応えるサービスを提供することを目的とした事業。
【対象となる取組例】
・ 商品情報の充実による販売促進(QRコード等を活用した取扱商品のブランドストーリーの提供や消費者が求める情報を記載した裏ラベルの活用等)
・ テイスティング等の顧客体験を重視した販売形態の確立
・ データ分析等を用いた、顧客の嗜好に合致した商品の販売手法の導入

(3)ICT技術の活用による製造・流通の高度化・効率化事業
これまで専門家の経験等に依拠していた作業にICT技術を活用することによって専門家の技能とICT技術との相乗効果を創出する等、製造・流通の高度化・効率化を図る事業。
【対象となる取組例】
・ 製造:AI技術等を活用した品質管理システムの導入
・ 流通:RFIDやAIカメラ等を活用した管理システムの導入

(4)新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顕在化した課題への対応のための事業
【対象となる取組例】
・ 特定の飲食店に取引が限定されている事業者が新たな販路を開拓するための取組
・ 家飲み需要の伸長への対応
・ 共同配送等による物流効率化等を通じた経費の削減

なお、上記【対象となる取組例】以外の取組であっても、上記(1)から(4)の事業目的に合致する取組については採択の対象となる可能性があります。

上記(1)と(3)はものづくり補助金、(2)は持続化補助金、(4)は事業再構築補助金に概要がよく似ています。

対象経費

受付期間

受付開始:令和5年8月2日(水)

  • 第一次締切:令和5年9月1日(金)
  • 最終締切:令和5年10月13日(金)

※郵送の場合、締切日の17時必着。
※電子メールの場合、締切日の17時までに受信を確認できたものが有効です。

加点項目

〇 事業者等が経営強化法に基づく経営革新計画、異分野連携新事業分野開拓計画、
経営力向上計画、中小企業地域資源活用促進法に基づく地域産業資源活用事業計
画又は農商工等連携促進法に基づく農商工等連携事業計画のいずれかの認定を受
けている場合等には加点する。
〇 パートナーシップ構築宣言を行っている事業者には加点する。
※「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(https://www.biz-partnership.
jp/index.html)において宣言をしている事業者。(応募締切日時点)
〇 補助事業者又は参画事業者が「日本産酒類の発展・振興を考えるビジネスコン
テスト」において、優秀賞を受賞しており、その優秀賞を受賞した事業を実施す
る場合には加点する。

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